もう一本歩こう
「もう一本歩こう」
そう話すのは、脳出血で右半身麻痺、失語症の診断を受けているM様。
四ツ谷ロボケアセンターへ初めて来られたのは、2020年9月20日。
初回体験時の資料には、立てることはできるが手すりが必要。歩くには付き添いがないと怖くてできない、と記載がありました。
目次
四ツ谷ロボケア通所開始
腰タイプのH A L®️を使った立ち上がりの際は、両サイドにスタッフが構え後方からも支援できるように見守ります。
3人体制での立ち上がりでしたが、うまく体幹運動が行えず、腰が引けてしまう為、足に体重をかけることが出来ません。
何よりも、体を動かすことへの恐怖心が全ての動作の邪魔をしているようでした。
また、失語症のため自分の伝えたいことが発せないもどかしさもあったかと思います。
何をするにも、自分の思い通りにならないことがきっかけで、負の感情が湧いてきてしまう状態でした。
Neuro HALFIT®️プログラム内容
Neuro HALFIT®️では、HAL®️腰タイプを使った立ち上がりと福祉用の下肢タイプでの歩行練習(オールインワンを使用)をおこなっておりましたが、生体電位信号は微弱であり、オールインワンでの吊り上げ状態に頼ってしまうこともあり、姿勢が改善されないことに悩まされていました。
そこで、単関節膝タイプや足首タイプを用いてさらに体の細部を動かすことに着目しました。
全身を動かすこと+関節細部をコントロールすること、また、しようとすること。
繰り返し行うことによって変わったことは、M様が身体を動かせているという感覚が戻ってきたことと、引き続き継続しようと運動に対して前向きになってきたことです。
その後の変化
そして、3人がかりで行っていた、HAL®️腰タイプを使った立ち上がりの練習では、補助なしの自力で立つことに成功。
自信がついたのか、そこからの成果は右肩上がりでした。
HAL®️腰タイプでの体幹運動は、「もう簡単」と余裕の表情でした。
それから3ヶ月後には、手すりなしでの自力立位に成功しました。
麻痺足に体重を少しずつかけられるようになってきたため、最初に感じていた歩行に対する恐怖心が消えていき、手引き歩行を繰り返して体を動かすことの楽しさ、目に見えてステップアップしていることへの喜びを実感されていました。
2021年8月31日に行ったプログラムでは、HAL®️使用前は1分17秒かかっていた6メートル歩行が、HAL®️使用後には、58秒64とタイムを更新。
また、7月に1分49秒だった10メートル歩行が、11月には48秒58と大幅な更新。
姿勢改善と目線が前方を捉えられるようになってからは体幹運動や重心運動がうまく行えるようになったため、タイムが速くなったと考えられます。
何より、運動をするのが嫌だった、怖くて自信がなかったM様が前向きに運動に取り組む様になりました。お話をされるときも、笑顔が増えて冗談も言い合える関係になりました。
ご都合により通所回数を減らさざるを得なくなった際、「やっぱり四ツ谷に行きたい!」と本人から周りの人に話をし、今ではロボケアでのプログラム回数を週2回に戻されています。
苦手意識の強かった歩行練習の際には、「もう一本歩こうか」と自発的にNeuro HALFIT®️に参加していただいています。
現在は、ゆっくりではありますが、杖を使用して独歩での歩行が可能です。
6メートル35秒!!
本当に驚かされます。
M様は引き続き、さらに安定した歩行を目指して四ツ谷ロボケアセンターに通われています。
四ツ谷ロボケアセンターについて
四ツ谷ロボケアセンターは東京都千代田区にある都内唯一のロボケアセンターです。障がいや加齢などにより身体機能が低下してしまった方に対して、装着型サイボーグHAL®️を用いたリハビリ支援プログラムサービス「Neuro HALFIT®️」を提供しています。子どもからトップアスリートまで多くの方が通うスポーツ複合型施設、MTX ACADEMYに併設しており、様々な分野の専門家たちの知識を活用し、一人ひとりのお客様に寄り添いながら、身体機能の向上を目指します。
ぜひ一度、四ツ谷ロボケアセンターへお問合せください。