ロボケアセンター | CYBERDYNEのHAL®を用いたリハビリ、機能回復支援センター

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歩行時の膝ロッキングを呈した脳梗塞片麻痺患者に対するHALを使用した治療効果の一考察

今回、札幌ロボケアセンターをご利用頂いた事例について紹介致します。対象者はおおよそ2年前に脳梗塞を発症し、医療機関でのリハビリを終え、ご自宅で生活はされているものの、左半身に運動麻痺の後遺症が生じているご利用者様(以下A様)です。週に2回HAL®を使用した60分のリハビリを実施し、20回のリハビリによる経過と効果を紹介します。

歩行における問題点

介入前のA様は屋外での歩行はT字杖を使用し自立、屋内は独歩にて歩行自立していましたが、職場復帰に向けて、歩行能力の更なる向上をご希望されていました。

歩行を観察すると麻痺側の足で体重を支える際、膝が伸びきってしまい、棒状になって支えている状態(以下、ロッキング)で、長距離を歩行すると膝関節に痛みが生じていました。

正常な歩行では踵から足を着き、足首が曲がり、体重を支える時、少し膝は曲がっています。これが体重を支える時のクッションの役割を果たし、前方へのスムーズな体重移動を可能にしています。A様の歩行は運動麻痺によりこの機能が低下していました。

麻痺惻の膝関節、足関節の機能を評価した所、自分の意思で膝、足関節共に動かすことは可能でしたが、特に足関節は足を上に上げたり、下に向けたりの運動の切り替えがぎこちなく、何回か繰り返すと足を上に上げる運動が難しくなってしまう状態でした。関節が適切に動くには主動作筋が働き、それと逆の作用がある拮抗筋は適切に緩む必要があります。しかし、運動麻痺があると拮抗筋にも力が入ってしまい、適切に緩むことが出来ず、関節運動を阻害することがあります。A様の歩行は足関節を筋肉が適切に働かず、無駄な力が入ることにより体重を支える際に足首が曲がらず、ロッキングが起きていると考えました。

HAL®を使用したリハビリ内容と経過

足関節を対象としたHAL自立支援用単関節タイプ® 足首アタッチメントを使用したリハビリとして足関節の上下運動の切り返し運動を実施し、HAL®の機能の1つである筋活動のモニタリング機能を利用し、適切に筋肉に力が入り、それと逆の筋肉は力が入らないように専用モニターを見ながら、A様にフィードバックをしながらリハビリを実施しました。リハビリ開始当初はHAL®を使用した運動直後は改善が見られましたが、次回のリハビリ前には症状が戻ってしまう状況でした。しかし、HAL®治療と歩行練習を合わせて継続し、10回目のリハビリあたりから歩行時の膝関節のロッキングに改善が見られ、膝関節の痛みも改善がみられるようになってきました。リハビリ15回目にA様は無事に職場にも復帰され、リハビリは週に1回の頻度に変更し継続しました。長距離歩行時には膝関節の痛みは残存していますが、ロッキングは改善し、日常生活、仕事上では歩行能力は問題ない状態まで改善することができました。

まとめ

今回の事例では、足関節を対象とした単関節HAL®を使用したことで足関節の適切な筋の働きと関節運動を獲得することができ、また筋活動をモニターでフィードバックをかけながら運動を行うことで、主動作筋の筋活動とその時の拮抗筋の弛緩という主動作筋と拮抗筋の適切な筋活動をより効率的に学習することが出来たと考えています。これにより、歩行時の麻痺側で体重を支える際に足関節が曲がり、膝関節のロッキングが改善したと考えています。ロッキングが改善したことで膝関節のクッションの作用が働き、膝関節への負荷が軽減したことで痛みも改善が図れたと思われます。今後、膝関節周囲の筋力が更に向上し、歩行練習を継続することで長距離歩行での膝関節の痛みの軽減も期待されます。今後も長期的なリハビリ効果の観察も含めてフォローさせて頂ければと考えています。

今後のA様の職場でのご活躍、歩行や日常生活の長期的な維持、向上をスタッフ一同願っています。

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