ロボケアセンター | CYBERDYNEのHAL®を用いたリハビリ、機能回復支援センター

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⼩脳出⾎発症後、11年間経過した60歳代⼥性利⽤者に対する広島ロボケアセンターの取り組み

【利⽤者様ご紹介】

広島県在住の 60 歳代⼥性。夫婦で飲⾷店を経営していましたが、平成 20 年に脳出⾎を発症しました。出⾎部位は右⼩脳であり、⾎腫は広範囲へ進展、右脳幹部も圧迫したため、症状として四肢・体幹の失調症状に加え、左半⾝の運動⿇痺と飲み込みの障害(以下、嚥下障害)が出現しました。医療機関への搬送後、⾎腫による脳圧の亢進を回避するため、頭蓋⾻の⼀部を除去しており、現在も頭蓋⾻の⼀部が⽋損しています。約半年間の医療機関での⼊院・加療の中で、⼊院直後から療法⼠によるリハビリテーションを受けており、⾞椅⼦での⾃宅退院となりました。退院時に要介護5、その後⾝体障害者⼿帳1級の認定を受け、在宅⽣活では夫や娘の介護と介護保険サービスを利⽤し、現在まで 11 年間、在宅での療養⽣活を継続しています。介護保険サービスとして訪問リハビリテーション、訪問⻭科、訪問看護、訪問介護、訪問⼊浴等を利⽤されています。退院直後より訪問リハビリテーションでの理学療法⼠と作業療法⼠によるリハビリテーションが継続されており、四肢の運動に加えて座る・⽴つ等の運動を在宅でも⾏われています。

【初回来所時の状況】

⾝体機能は脳出⾎の後遺症により、四肢・体幹の動揺性(失調症状)に加え、左半⾝の運動⿇痺と嚥下障害が残存していました。また、⾃⾝での寝返りや起き上がり、座位保持は困難であり、⾷事や整容、排泄、更⾐、⼊浴等の⾝の回りの動作においても、常に他者の介助を必要とする状況でした。特に⾷事では嚥下障害の影響から⼊院中に気管切開が施⾏されたため、⼝からの⾷物の摂取は困難であり、栄養経路は胃瘻からの経管栄養でした。また、⾃⾝での唾液の処理も困難であることから、常に唾液や喀痰等に吸引を必要とし、酸素も吸⼊している状況でした。当センターへ来所の際にも酸素ボンベ・携帯⽤の吸引器を持参しており、頻回に吸引を必要とする状態でした。排泄は膀胱留置カテーテルが留置されていました。移動はリクライニング⾞椅⼦ではありましたが、⾃⾝で⾸や背中を真っ直ぐに保持できず常に⾞椅⼦で⾸や背中を⽀えている状況で、⾞椅⼦への連続離床時間も短いことから、⾃宅での⽣活場⾯では⾞椅⼦へ座ることは少なくベッド上での⽣活が主体でした。

当センターへの初回利⽤時の⽬的は、①嚥下機能の回復を⽬指した体幹機能の改善、②右⼿(以下、「右上肢」)での書字、③外出機会の拡⼤でした。

体幹機能に関しては、現在に⾄るまでの在宅療養期間中のベッド上⽣活により重⼒に対して⾸や背中を伸ばして保持するための機能(以下、「体幹機能」)が著しく低下をしており、前後左右へ⾸や⾝体が崩れ易く、⾃⾝で姿勢を直すことが難しいことから、⾞椅⼦の背もたれから背中を離すことも困難な状況でした。装着型サイボーグ HAL®(以下 「HAL®」)の装着時においても装着者の意思を読み取るために必要となる脳からの信号(⽣体電位信号)が検出できず、体幹機能向上を⽬的とした HAL®腰タイプ自立支援用(以下、「腰 HAL®」)の使⽤が困難でした。

右上肢に関しては、失調症状の影響から動作に伴う腕の動揺が著明であり、⾃分の意図した動きが難しい状態でした。そのため、肘や膝関節へ装着することができる HAL®︎⾃⽴⽀援⽤単関節タイプ(以下、「単関節 HAL®」)を肘関節に装着し、⾃⾝での右上肢の制御(以下、「協調性」) の向上を⽬的としたプログラムを開始しました。また、左上下肢に運動⿇痺を認めていたことから、左肘や膝に対しても単関節 HAL®の使⽤を開始しました。

以上の内容に加えて、⾸や体幹筋への刺激や全⾝持久⼒の向上を⽬的とし、免荷装置で体幹を⽀え、安全を確保した上で、振動刺激装置や有酸素運動機器を使⽤したプログラムを初回のNeuro HAL FIT®より開始しました。

【1年経過後】

体幹機能の向上に向けた振動刺激装置の使⽤により徐々に座位姿勢の改善を認め、前後左右へ崩れる場⾯も徐々に減少しています。その結果、11 回⽬に数秒間の座位・免荷装置装着下での⽴位保持、20 回⽬には1分間の座位保持が可能となっています。また、振動刺激の反復により体幹筋の活動性が向上し、開始当初は検出することができなかった体幹筋の⽣体電位信号が出現しています。そのため、腰 HAL®での主体的な運動も徐々に可能となっており、⾞椅⼦上での姿勢崩れの減少や⾃⾝で姿勢修正ができる場⾯も認めています。⽇常⽣活場⾯では、ベッド上での⾃⾝での寝返りや上下への移動時の協⼒が得られるなどベッド上での主体的な動きも可能になりました。

右上肢の協調性改善に向けた単関節 HAL®の使⽤では、寝た姿勢で⾏う課題から開始し、徐々に座って⾏う課題へと課題難易度をシフトしていきました。当初は動揺性のため空間上で腕を挙げて⽌めておくことが困難でしたが、動揺性の減少とともに空間上での腕の安定性は向上しています。また、反復的な課題の実施により、HAL®装着部位の肘関節だけでなく、肩関節の安定性も向上しており、現在では拳⼤の⽂字の書字や草花等の絵を描くことがで きています。

当センターでの全⾝運動による持久⼒の向上に加え、当センターへ来所をするという週1回の外出機会により徐々に⾞椅⼦への乗⾞機会が増えています。その結果、連続乗⾞時間が延⻑してきており、当センターへの来所以外にも商業施設や宿泊施設へのご家族との外出機会も増えています。

現在はご家族でのディズニーランド旅⾏を実現するべく、当センターで週1回のプログラムを継続しています。

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