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熊本ロボケアセンターにおける脊髄損傷へのHAL®︎によるリハビリ支援の事例

M様(60代後半男性)は今年の3月中旬に、奥様と息子様と共に初めてご来所されました。
熊本ロボケアセンターを知ったきっかけは、インターネットで調べた息子様に薦められたそうです。
本当はもっと早期でのご来所を希望されていたようですが、コロナ禍で、宮崎県に在住の奥様方は県を跨いだ移動が難しく、M様も熊本のケアハウスからの外出制限などもありタイミングを見計らってのご来所でした。
M様の障害名は胸髄損傷による対麻痺です。
平成30年7月30日、仕事中に高所より転落し脊髄損傷を受傷。Th11/12の粉砕脱臼骨折を認め、8月2日に胸腰椎後方固定術を施行されましたが、両下肢の完全運動麻痺、感覚障害及び膀胱直腸障害が残存しました。
医師からの総合所見は、両下肢ともに筋力消失。右下肢、左下肢、いずれも片脚での体重支持不可能で機能全廃。今後の回復は見込み得ないというものでした。
ご本人へのヒアリングでは『おヘソから下の感覚がない。当然下肢に力を入れる事は出来ない』というお身体の状況でした。
また、『HAL®︎を使用した専用プログラムを行う事によって少しでも体幹が良くなって、座位が安定して欲しい。下肢が右か左かどちらかだけでも少しでも動いて移乗などがしやすくなって欲しい』といった希望を持たれていました。
同じ県内とはいっても車で45分ほどの距離。介護タクシーを利用して月2回のペースでHAL®︎のプログラムが始まりました。
今更ですが知らない方がいらっしゃるかもしれませんので念のために・・・
HAL®︎(Hybrid Assistive Limb®︎)とはCYBERDYNE株式会社が開発しました、人の意思を反映した生体電位信号に基づいて、意思に従って人と一体化して機能する世界初の装着型のサイボーグです。
医療分野では、脳神経・筋系疾患の機能改善を促進するサイバニクス治療として活用されています。福祉分野では身体機能の回復を促す事で自立度を向上させたり介護者の介護作業を支援したりするなど、様々な分野で活躍しているのです。
開始当初はオールインワンという免荷機能付き歩行器を併用し、ハーネスを着けて転倒しない体勢にした状態にてHAL®︎下肢タイプ(以下、HAL®︎)を装着し、膝の曲げ伸ばし運動からスタートしました。
最初は曲げ伸ばしをしようとしても、生体電位信号がごく微弱で安定しなかったりHAL®︎を思ったように動かせないという時もあれば、逆にプログラムをしばらく継続していると痙性が強く出て座って休憩を挟まざるをえなかったりなど、上手くいかない事もありました。
しかし、通い出して3回目、4回目と回数を重ねるごとに少しずつですがHAL®︎を動かすという事に慣れ、オールインワンでの膝の曲げ伸ばし運動から歩行プログラムへ、更には免荷機能付きのトレッドミルに移行してベルトの速度に合わせて脚を振り出せるようになってきました。疲れが少なく上手く歩行できている時は、一気に20分ほど歩く日もあります。
歩行プログラムでは、目の前の鏡に写る自分の姿や、脚を振り出そうした際にどのように動いているか足元をしっかりと確認すること、その他にも、HALモニター(パソコン画面にHALの姿勢・足底荷重センサーの動き・生体電位信号の出方など様々な情報が映るデバイス)も使用し、視覚的なフィードバックも得ながら毎回一生懸命取り組んで頂きました。
並行してHAL®︎を外しての歩行訓練も少しずつ行っております。現状、脚を振り出すために免荷して骨盤の回旋を利用はしていますが、最初よりも振り出し範囲は大きくなってきており膝の伸びも見られるようになってきております。
宮崎在住の奥様、息子様にプログラム中の動画や様子をメールにてご共有させていただき、コロナ禍で中々実際にお会い出来ない中での近況報告のお手伝いもさせて頂いております。
最近の診察では、『身体機能の低下がほとんど見られない、低下していてもおかしくないのに。』と医師から言われたそうで
『これも熊本ロボケアセンターでのトレーニングのお陰かな。最近では麻痺して何も感じなかった下肢に少しシビレを感じたりするよ』という嬉しい報告も頂きました。
またM様は『コロナが落ち着いたら家族と旅行に行きたい。離れて暮らしている娘夫婦や孫に会いに行きたい。その為にも諦めずに少しでも体力をつけて全体の機能向上を図っていくんだ』と笑顔で仰っていたのが印象的でした。
今後のHAL®︎プログラムも今までと継続して、生体電位信号の出方を確認しながら少しずつ免荷量を落とし足底に体重をかけていき、よりご本人様の力で振り出しが出来るようにHAL®︎のアシスト量を調整し、ADLの向上を図っていく予定です。
私達は、『もっと良くなりたい。諦めない。生活を改善したい。楽しみたい』というご本人やご家族の気持ちを応援します。
一助となれますよう熊本ロボケアセンターは寄り添ってまいります。
熊本ロボケアセンターでは脳卒中や脊髄損傷以外に様々な疾病の方にNeuro HALFIT®︎を提供しております。
提供にあたり予約制で密にならない状況作り、入り口での検温と手指消毒、使用機材のプログラム前後でのアルコール消毒などコロナ対策も行なっております。
「HAL®︎が適用できるのではないか?」とお思いになった方やそのご家族、ご関係者の方是非一度熊本ロボケアセンターにお問い合わせ下さい。

まずはお気軽にお問い合わせください

ロボケアセンターでは、初回体験キャンペーンなど様々な特典もご用意しています。ご興味を持っていただいた患者さんやリハビリの介護をされているご家族は、遠慮なく下記の問い合わせフォームからお問い合わせください。専門スタッフが状況をお聞かせいただき、最適なプランや拠点をご案内致します。

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